7/10

先日彼女と別れた。


特に言ってなかったが、昨年の夏前くらいに知り合って、残暑の頃から付き合っていた。

付き合ってきた過程は大半を省略するが、まぁ良好な関係を続けていて目立った喧嘩もなかったと思っている。強いていうなら僕が彼女に与える刺激は彼女にとって物足りなかったかもしれないと思うが。

正直言って彼女は自分にとっての理想みたいな相手だった。確かに少々情緒が不安定なところはあった。しかし彼女は私の諸々が未熟でも受け入れてくれた、どんなときでも私を嫌わずに承認してくれた。重い束縛はなく、なにより声と見た目が可愛かった。

 

そんな彼女と、まぁそれはもう一瞬で別れてしまったわけである。

なんと愚かなことだと嘆くが全ては後の祭り。恐らく彼女と会うことはもう二度とないだろう。なにせ彼女は本来慰められるべき立場だったのに、過度に感情的になった私が容赦なく、酷く冷淡な言葉をかけてこっぴどく振ってしまったのだから。そして、彼女はその言葉を受けた後も私に手を伸ばしてくれたのに、意地になった私の方がそれを振り払ってしまったのだから。

色々と思い入れのある相手だったので正直言って未練はある。むしろ未練たらたらなくらいだ。ほとんど全てが初めてだったと言ってよい相手だから当然であると思う。

女々しい私はその後もめそめそと彼女のことを考え続けている。あのタイミングでこうしていればまだやり直せていたかも、この時点ではもう彼女の心は離れていたのだろう、そもそも彼女のしていたことは自分が怒るには十分すぎるものだったはずだ。幾度も反省と分析をしては、自分の判断は間違いではなかった、あるいは仕方なかったと納得させようとしている。

そもそも彼女と僕は性的嗜好などの観点で相性が良くなかった、別れた方がお互いの将来のためだった、恐らく彼女はもう新しい依存先を見つけてうまくやっている。付き合っていない状況への言い訳を考え続けてる。

結末はもう変わらないのだけれど気持ちに整理をつけるためには、どのタイミングの自分の行動が誤りで、どの行動は正しくて、自分は何に対して怒っていて、何に対しては許していたのかを正しく認識して記録しておく必要がある。忘れてしまえばまた同じことを考えはじめ、今この瞬間の自分の気持ちを再演してしまうから。

 

ここ最近僕のメンタルが安定してたのは恐らく彼女のお陰で、これからはまた元の自己中心的で不安定な承認欲求お化けに戻るだろう。死にたいという言葉は主義に反するからあまり明言はしないだろうが、なんとなく鬱々とした日々が始まっていく。この文章を書いている時点で、丸72時間は食事を全くとれていない。

今住んでいる部屋で遠距離だった彼女と時間を共有していなかった期間は、付き合っている期間の五分の一程度しかない。来年には思い出に押し潰されて死んでいるかもしれない、と他人事のように考えながら、既に眠れない日々を始めている。

 

 

やることがないので手始めに宅建士の資格を取ったら司法予備試験を受けようと思っている。これは別れるきっかけとなった日の前から考えていて、テキストを購入したのはきっかけとなった日のちょうど前日だった。

本当はこれも、ただ彼女に承認してもらいたかっただけなのかもしれない。

 

願わくば、彼女の今後の人生がこのまま私といた場合よりも幸せなものであるように。