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FACTFULNESSを3章まで読んだ感想

 

・日々更新される世界情勢に対して自分達が如何にバイアスのかかった認知をしているかを指摘する。そのために多くの人が既知のものとしてあまり深く考えずにさらっと流しているが、アップデートされたことで旧来の知識と随分異なった様相を呈している情報を提示して説明するといった感じの内容。

個人的には所得レベルに応じて4分割する話とか普通に知らなかったので興味深かった。イメージとしてレベル1~3と4の間に致命的な差を感じるが、これは自分の生活水準として耐えられる下限か否か程度の問題でしかないのだろう。

 

・訳文が読みやすいがやや冗長に思える。

ただ、これくらいの方がエンターテイメント性があって読みやすいかもしれない。

 

・この本に対して読む価値がなかったとか当然の内容とか言える人たちは、九分九厘が後知恵バイアスかただのマウントが取りたい知識オタクなので無視して構わない。

似たように認知バイアスの話をしている書籍は多く見るが、典型的で知名度の高い錯覚や特殊な事例を挙げるのではなく、この本のように実際にいま自分達が陥っているインパクトの強い話を例に挙げて解説しているものはこの手の話に興味がなかった人たちに対する説得力が違うので、少なくとも多くの人には読む価値がある。

というか認知バイアスを知っていても(この本が対象としているレベル4の層の人間、特に高学歴者は流石に知っているだろうという前提で私はいるが)、実践レベルでは自覚できていないということを可視化するのがこの本の趣旨なので、バイアスの種類や人間の認知の傾向を沢山知っているかどうかははっきり言ってどうでもいい。

 

・人間は自分の主観とその他でしか区別ができず、その他に対する想像力が致命的に欠如している。だから、バイアスを軽減しより正しい認識を得るには、知性よりも感情を優先してしまう自己をどこまで理性で騙せるかが勝負になる。

ファスト&スローとかでも散々言われてた統計を扱うのが平均的人類には早すぎることに代表されるように、人間に知性は向いていないですねといったところ。

世界は悪くなりつつあるわけではないし、むしろ統計的には良くなりつつあるから現状が悪いからって悲観することはないよと言うが、この本の存在が人間に知性への適正がまだないことを示唆しているので、それが既に悲観的にさせ得る材料になる。

僕が生きてるうちに世界が多少良くなったところで人間が知性に適応することはないんだろう、多少は現状より良くなるのだろうが。あるいは急速に知性的な動物に成長(進化)するのだろうか。

 

 

 

続きを書く予定は現状ありません。